今の季節よく聞く、この“乾燥肌”という言葉。
「カサカサに粉を吹く」「うるおいがなく、しっとり感のない肌」など、乾燥の状態もさまざまですが、そもそもどんなメカニズムで肌が乾燥してしまうのでしょう?
健康な肌は、角質層に30%の水分を含んでいます。
“乾燥肌”は、この水分が30%以下になってしまった状態のことをいいます。
角質層の水分が減ってしまう原因のひとつとしてあげられるのが、空気の湿度。
空気が乾いてきて、湿度が30%を切ってしまうと、肌から水分が蒸発しやすくなるのだそうです。
ただし人間の肌には、水分を守る「保湿成分」があり、それが十分にあれば、どれだけ空気が乾燥していても、水分は蒸発しにくくなります。
つまり、その「保湿成分」をつくる力が弱くなってしまうと、肌は乾燥してしまうのです。
◎ 乾燥からお肌を守る “保湿成分”とはどんなもの?
「保湿成分」として、最も重要なのがセラミド。
セラミドは、角質層にある細胞を満たし、細胞同士をつなげている「角質細胞間脂質」の一種です。
「角質細胞間脂質」は、いろいろな脂質が混ざって出来ていますが、そのうちの40%ほどがセラミドです。
これらの脂質が働いているおかげで、お肌の水分が保たれ、肌を刺激から守ってくれる“角質のバリア機能”が働くのです。
そして悲しいことに、この「保湿成分」は、生まれたときをピークにして、生産量は減る一方なのだとか(!)。
そのため、角質層の水分量が減り、年とともに肌は乾燥しやすくなるのです。
◎ 肌が乾燥すると、カサカサ、ゴワゴワする秘密
よく肌が乾燥してくると、触ったときの感触がカサカサ、ゴワゴワ、足の裏などはコチコチになっていることがあります。
それが顔に起こってしまうと、シワのように見えることもありますよね。
お肌がこの嫌な硬い感触になってしまうのは、角質層の水分が減ることで、角質が厚くなってしまうから。
角質層は、肌を外の刺激から守るためにあります。
乾燥により肌の水分量が減り、角質のバリア機能が損なわれてしまうと、より肌を守ろうとして、角質層が厚くなってしまうのです。
通常お肌のターンオーバーは、28日かけて行われるのですが、肌が乾燥した状態だと、大急ぎで角化(表皮細胞が角質細胞に変わっていくこと)が行われ、未熟な角質層がたくさん作られてしまいます。
これがカサカサ、ゴワゴワ肌の理由。できそこないの角質層たちが肌を覆っているため、こんな状態になっているんですね。
◎ “乾燥肌”の反対は、“オイリー肌”ではない?
よく油分が少ないのを“乾燥肌”と思っている人が多いかもしれませんが、先にもご紹介したように、肌が乾燥する原因は、「水分量がたりないから」で「油分の量がたりないから」ではありません。
ということは、“乾燥肌”の反対は“水分が十分にたりている肌”であって、“オイリー肌”ではないのです。
よく肌質として出てくる表現ですが、間違って受け取らないように注意したいものです。
(記事提供:イーコスメ株式会社)